教育業界では、最近改革に向けた動きが活発になってきています。
小学校でプログラミングが必修化される、とか
センター試験が廃止される、など
聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
現在、子供を育てている世代としては、
自分たちが学習してきた環境と、
自分の子供が学習していく環境は大きく異なり、
自分の常識が通用しなくなる可能性があります。
教育改革として、いろいろなことが検討されているようですが、
まずは、次の2つが大きな変化点かと思います。
- 新学習指導要領の導入
- 大学入試改革
本記事では、まず新学習指導要領について書いていきます。
学習指導要領とは
文部科学省で定められたカリキュラム編成の基準で、
『全国どの地域でも、一定の水準の教育を受けられるようにする』
ということを目的にしたものです。
だいたい10年毎に内容が改訂されてきた流れがあります。
1999年に改訂され、
2002年に試行された『ゆとり教育』等は有名ですね。
※広義には、1980年度の指導要領から始まっているそうですが、
本格的なゆとり教育(小中学校で学習内容を3割削減)は2002年からです。
世間では失敗だったと言われていますが、
考える力などは身に付いた等、成果もあったようです。
ただ、全体的な学力低下が起きてしまったのが問題でした。
そのため、2008年に改訂され、
2011年から試行された学習指導要領により、
『脱ゆとり教育』が導入されました。
何故、改革が必要か
脱ゆとりから約10年ほど経ちましたが、
今回の改定の背景には、大きく次の2点があると思います。
一つは、海外との競争激化です。
企業の世界時価総額ランキングを見ると、
平成元年では、上位50社のうち日本企業は32社ありました。
それが、平成30年ではわずか1社(トヨタ自動車)のみです。
明らかに日本の競争力が落ちてきています。
さらに、今後は外国人労働者も増えていくと思います。
もう一つは、AI等に代表されるIT技術の進化です。
とある調査によると、今から10~20年後には、
現在の仕事の49%がAIやロボットに代替されるという話もあるそうです。
実際には、AIにより新たな仕事も生み出されるだろうとは思うのですが、
少なくとも、単純労働のようなものは減っていき、
より創造的な仕事が求められていくという流れはあると思います。
このような時代を生きるための力を身に付けていく必要があります。
新学習指導要領のポイント
2020年より次の学習指導要領が本実施となります。
何ができるようになるか
ここでは『生きる力』を身に付けるために、
育成すべき資質・能力が3つ、明確に定められました。
- 知能及び技能
- 思考力・判断力・表現力等
- 学びに向かう力、人間性等
いわゆる学力である認知能力に加えて、
学びに向かう力といった非認知能力が書かれていることは、
大きな変化だと思います。
非認知能力については、こちらの記事をご参照下さい。
何を学ぶか
小学校教育において、大きく3つの変化があります。
- 英語が3年生から導入、5年生からは「教科」に
- 道徳が正式な「教科」となる
- プログラミング教育の導入
特にプログラミングについては、
小学生の頃からやる必要があるのかな~と思ったのですが、
コンピュータに意図した処理を行わせるための命令を作ることで、
論理的思考力を身に付けることを目指しているようです。
将来プログラマーにならないにしても、
論理的思考力は、どのような仕事につくにしても土台となるものなので、
そういう意味ではいい学習なのかもしれないなと思いました。
どのように学ぶか
『主体的・対話的で深い学び』と表現されていますが、
いわゆるアクティブラーニングが求めれています。
これまでの先生からの講義を一方的に聞くというスタイルではなく、
『自分から課題を設定し、他者と協力しながら解決していく』
といったことを繰り返し実施していくことになります。
とはいえ、これは特に新しい概念ではありません。
私が高校生の頃の話ですが、
修学旅行に行く際、学生の中から修学旅行委員が選ばれ、
どこで自由時間を入れるかとか、
修学旅行中のルールをどうするか等について、
学生主導で決めるということをさせてもらいました。
これも一つのアクティブラーニングだったなぁと思います。
また、アクティブラーニングでは、
ITツールも学習を助けてくれると思いますし、
実際に様々なツールが教育機関に導入され始めています。
自分の子供が行く学校がどのように取り組んでいるのか等、
事前に調べておく必要がありそうです。
まとめ
本記事では新学習指導要領について書きました。
今回の改定は、ゆとり教育での教訓を活かしたり、
真の『生きる力』を身に付けるための教育を目指していて、
個人的には非常に期待感を持ちました。
しかし、実際の教育を行うのは各教育機関なため、
学校選びや塾選び等もより重要になってくるなと感じました。
親としていろいろとアンテナを高く張る必要がありそうです。